
株式会社あずま工房 Webサイト
およそ高さ 3 mのアート作品で、傾斜した台形の壁が上部で接合する構造の立体作品です。このプロジェクトでは、職人、材料屋、めっき屋、そして作家とデータをやり取りしながら設計・制作を進めました。
左右の細長い台形の壁には、様々なプロポーションの長方形の開口が開けられており、それぞれの開口にはワークショップで子供たちが制作したステンドグラスをはめる計画でした。ステンドグラスがはまる開口は、溶接による歪みを考慮しつつ正確な寸法が求められるので、精度の高い設計が必要でした。 台形の壁は箱状で内部にはリブが溶接される意匠になっていますが、側面は長い距離の溶接で歪むことを考慮し、溶接ではなく板金折り曲げ加工を採用しています。
また、内部のリブは長さが整数値となるようにしつつ、開口の大きさや全体の印象を変えないように調整しました。当初は長さが200種類近くあるリブを全てレーザーカットで制作する計画でしたが、職人と相談して、開口の寸法精度が求められる長方形部分のみレーザー切り出しすることにしました。残りのリブはフラットバー定尺から切り出して、レーザーのケガキ線を目安に現場合わせで調整とすることで、誤差を考慮した効率のよい設計になりました。(テキスト:関田重太郎)